山間のリゾート地にあるAホテルは、地域一番館として長年親しまれてきた格調高いホテルです。近年、インバウンドの増加にともなう商圏の変化や老朽化が進み、ホテルの建て直しを検討されているオーナー様より、「再開発は長期的な見地から収益を産むプロジェクトになり得るのかを検証してほしい」、さらに「収益を産むためにはどのような再開発が求められるのか具体案を提案してほしい」というご依頼がありました。
ホスピタリティディレクションズでは、現地視察ならびにオーナー様、現ホテル幹部へのヒアリングを行った上で、以下の事業性評価を行いました。
■市場調査
市場に潜在性はあるのか、あるとしたらどの顧客層をターゲットにすべきかを見い出すために、人口動態、所得金額の推移などのマクロデータとともに、宿泊旅行動向や地域特性に関するミクロ調査、インバウンドの最新傾向を分析しました。その結果、当該地域は、ターゲットを絞り、差別化を図ることにより収益性の高いホテル開発が可能であることがわかりました。
■ホテルシナリオの構築
分析結果をもとに、ホテルコンセプト、ターゲット顧客層、ポジショニング、施設構成案等のシナリオを作成しました。
■ターゲット顧客の具体化
定量・定性調査を実施し、シナリオを検証するとともにターゲットのセグメンテーションやペルソナの設定を行い、ターゲット顧客を具体化しました。
■ラフデザイン案
ターゲット顧客に訴求し、かつ収益につながるサイトプラン、フロアプラン、パース画をつくり、ご提案しました。
■オペレーター候補
ホテルコンセプト、建物概要にふさわしく、ターゲット顧客へのマーケティング力が強いオペレーター候補をリストアップしました。
■収支計画
開業後5か年のGOP(営業総利益)までの収支予測を策定しました。
Comment from Hospitality Directions
データに基づく徹底した市場調査と定量・定性調査を実施することでターゲット顧客層を明確にしたことにより、地域特性を最大限生かし、かつ他のリゾートホテルにはないオリジナリティを盛り込んだ実現性の高いホテルプランができました。
長期的な成功をつねに念頭に置き、ラフデザイン案を提出する際も、収益を産むための客室構成や集客力のあるレイアウト、家具・備品のイメージに至るまで、緻密で説得力のあるご提案ができたと思っています。